『ロボラジ』MCが語る! 今年の高専ロボコン(1) — 高橋智也
『ロボラジ』ってご存知ですか。ロボコニストOBを中心とする、ロボコンの大会や放送に合わせて姿を見せる 不定期配信の自主ネットラジオ。(放送日時・聴取URLは twitterで告知。 詳しくは #roboradi で検索!)
地区大会が始まるこの時期、じわじわと、ざわざわとOB達も盛り上がっています。ということでロボラジMCであり、奈良高専OBの高橋さんに今年の競技の見所・現役生への応援メッセージを頂きました。
プロフィール
高橋智也
— ロボラジMC、奈良高専OB、豊橋技術科学大学大学院修士2年
<高橋さんのロボコニスト歴>
▼高専ロボコン
2006年 奈良高専 電子制御工学科 入学
第19回大会 ふるさと自慢特急便Bチーム ピットクルー
2007年 第20回大会 風鈴火山 ロボット騎馬戦Bチーム ピットクルー、アーム設計
2008年 第21回大会 ROBO-EVOLUTION 生命大進化
Bチーム リーダー・操縦者、2 足歩行ロボット設計 地区大会優勝、全国大会出場
2009年 第22回大会 DANCIN’ COUPLE ダンシング・カップル
A チーム リーダー・操縦者、自動ロボット設計
2010年 第23回大会 激走!ロボ力車
A チーム リーダー・操縦者、2 足歩行ロボット設計 全国大会ベスト8 アイデア賞
▼大学ロボコン
2011年 とよはし☆ロボコンズにて ロイ・クラトンの火をともせ!手伝い
2012年 とよはし☆ロボコンズにて 平安大吉出場、手動ロボット設計
★2008年より ロボコニストによる自主ネットラジオ『ロボラジ』の3代目MC担当
進捗どうですか
今年の競技は・・・どうですか?
例年に比べるとシンプル。これまではずっと歩行が課題とされていたので、歩行機構が注目されていました。タイヤに比べると 歩行って上半身をしっかり支えるだけの力がないんですよ。けどその二足歩行縛りが解かれて、上半身が作りやすくなったと思います。
難易度はどうでしょう。
ぱっと見る限りはけっこう厳しめに見えました。
・・・シンプルなのに?
強いマシンを作るのが厳しいんです。ルールブックを読む限り、スラロームを迂回し、角材ゾーンを乗り越えることなどは、それ自体はそれほど難しくないと思います。蒸籠の数を選べるので、例えば1枚だけ運ぶマシンにすれば、傾斜を上るときも機構は必要ないわけですよね。しかし、蒸籠を30枚載せて早く段差を早く乗り越えよう、となると段差を乗り越える足回りや傾きに対する機構など、技術がどんどん難しくなります。 出だしのスタートは簡単だけど、突き詰めていくと難易度がどんどんあがっていくんですよね。
30枚運ぶ学校はどれくらいでしょう?
こういう競技は今まで何回かありましたが、大概、少ない枚数を運ぶ戦略が選ばれる傾向にあったと思います。現役生から30枚は厳しいです、という声もちらほら聞いているので、今回もそっちが多いんじゃないかな。
30枚運んでほしいなぁと期待しているのですが。
重量の問題があるんです。ロボットの重量制限がルールで25kgになっていますよね? 蒸籠が1枚300g弱なので、30枚の蒸籠を運ぼうと思うと、9kgぐらいになりますよ マシンの3分の1の重さを持つのは大変なことです。しかも外側で持たないといけないのでそうするとやっぱりかなり難しいです。小突いたら転んだり、下手したらそもそも立てない。
勝敗を分けるポイントは
もし 高橋さんがこの競技に参加するとしたらどういう戦略で挑みますか?
腕の作業機構も重要ですが、僕は今年の競技で差がつくのは角材ゾーンだと思うんです。
傾斜ゾーンではなく??
蒸籠を落とさないように持たないといけない、という制約がある以上、坂はやはりある程度の時間をかけざるをえないので、そこで時間短縮は狙えない、差をつけられないんですね。じゃああとはどこで縮められるかというと、角材ゾーンの段差をいかに無駄なくスムーズに超えられるか、 というのがキーポイントになるんじゃないかと。あそこが一番速度を縮められると思うんです。
例えば一本一本の角材を超えるのに、 いちいち変形していたら、変形→戻る→変形→戻る・・・で、5本分=5回ロスが生まれるわけですよね。 変形なしの足回りを考えられたらすっとクリアできるわけです。そこは早くするポイント。だからどう蒸籠を落とさない腕を作るかというのに加え、いかに素早く動ける足まわりを作れるか、 というのが今年の競技の勝敗を分けるところになるかなと。
母校 奈良のチームはどうですか?
奈良高専は歩行技術が高いので、それをアドバンテージに強かったのですが、今年のルールで 歩行のアドバンテージが一気になくなってしまったので、彼らも困惑しているんじゃないかな。8月に様子を見てきたんですが、手探り状態で頑張っていました。あ!あと受取ロボットも実はキーになるんじゃないかと思っていて。
というと?
メインは出前ロボットで、受取ロボットは副次的なものと多分みんな考えていると思います。そうするとロボコンのチーム的な法則で、 受取ロボットの設計が2・3年とか若手に任されることになると思います。そこで上級生が下級生をしっかり見ていないと、受取ロボットの完成度が低いせいで負ける、といった可能性も出てくる。・・・と、この間母校の受取ロボットを見て思いました。僕が見たときは・・・まだちょっと、これはあかんやろ、っていう感じだったので。 今年は優勝してほしいです。
(続く)
やりたいことを全部やる