資料で見る!第2回高専ロボコン
1988年にNHKでロボコンがはじまって30年目となった昨年、
事務局では、現在高専に残っているロボットのリスト化など
「ロボコン遺産」の発掘作業を進めてきました。
その作業の中で、第2回高専ロボコンに関する資料をお送りいただきました!
資料を提供いただいたのは、
鈴鹿高専OBで、第2回大会に出場された樫山武士さんです。
貴重な資料、ありがとうございます!
◆ルールは全部で4ページ <6月14日付>
第2回大会は、横浜で開催されました。「独創コンテスト」から「ロボットコンテスト」となり、「アイデア対決」の看板は変わらず掲げられています。
出場募集は平成元年6月14日に高専へ送付されたようです。7月に選考を行い、8月12日に大会を開催。第1回大会を踏襲した、夏休みを意識したスケジュールとなっています。
また、国立高専だけでなく、公立・私立も含めたすべての高専に通知された様子が見て取れます。
第1回のルールはたったの6項目で発表されましたが、今回は3ページにわたってルールが書き込まれています。
◆テーマとフィールド図
2ページ目には、テーマと名称説明、フィールド平面図が記されています。真ん中の穴は「おとし穴」だったんですね。
◆フィールドとボール、判定方法
セッティングタイムは「3分間」、競技時間は「7分以内」と定められました。
第1回大会はセッティング10分、競技時間は特に定められておらず、だいぶ大会終了までに時間がかかったそうで……。
◆ロボットについて
ロボットについての規定が書かれています。
第2回大会は「~ならない。」という記述が増えました。
「競争あいてに対する破壊または損傷のみを目的とする戦略は、この競技の精神に反し、許されない」というあたりは、「ロボコニスト精神」と呼ばれる考え方の萌芽と言えるでしょうか。
◆パンフレット
カラーのチラシが配布されたようです。
「この夏 脳細胞はメカになる!!」というキャッチコピー。
そして、非常に未来っぽいイラストです。
文字はDTPではなく写植。おそらくゴナですね。
◆ロボット紹介
大会当日の観覧客向けか、あるいは審査員向けでしょうか。
各チームのロボットを紹介したペーパーがあります。
見ながら、スピードが速かったか、などをチェックしていけるようになっています。
3項目の一角を「ユーモア」が担っているのがロボコン的です。
20チーム中8チームに「号」のネーミングが残っているのもポイントです。
「相手ゴールに蓋をする悪い奴」とまで書かれてしまった「先手必勝アーム付き破れバケツ号」と、「コロコロスットン号」が対戦した準決勝は、審査員のハリー・ウエストさん(マサチューセッツ工科大学)や清水優史先生(東京工業大学)も大絶賛の名勝負となりました。
「ロボットコンテスト」と変わって開催されたこの大会も、大きな反響を呼びました。そして、第3回、第4回と続くことになったのです。
今年もいよいよロボコンの季節がはじまります。学生ロボコン、ABUロボコン、そして高専ロボコンではどんな名勝負が繰り広げられるのか?ぜひ会場で、テレビで、その楽しさに触れてください!